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2011年 07月 15日
以前このブログでもお知らせしたとおり、7月9日にNEC重層偽装請負訴訟提訴1周年記念シンポジウムが熊本県教育会館で行われました。定員80名の会場でしたが、100名以上の方々に参加していただきました。 ~記念講演~ 記念講演として週刊東洋経済の記者である風間直樹氏に、東京電力で働く労働者の実態について話していただきました。 日本の商業用原発作業員のうち電力会社社員は1万人弱いるのに対して下請け労働者は7万5000人もいると言われています。今回の大震災の福島第一原発の復旧作業でも、東電社員だけでは全く人手が足りず、復旧作業などに携わる東電関係者は全国で約11000人が東電の社員、残りの9000人以上が元請けで働く労働者であり、さらにその下請け企業で働く労働者は7万5000人に及ぶと言われています。 元々、原発は多重下請けを活用することを特徴とする産業で、7次8次下請けはざらだという証言もあるそうです。雇用関係があいまいで、安全教育もほとんどなく、誰に雇われているのか分からない状況で働くということが当たり前のように横行しているという報告がありました。 使用者との労働契約が成立していないと、使用者の労働者に対する責任は曖昧になります。これが今回NECの偽装請負と重なる問題点であり、さらに原発ほど危険な環境での仕事において、使用者責任が不明確であるということは労働者の安全性に関わってくるため、労働者にとっては恐ろしい労働環境であるといえます。 今回の大震災で浮かび上がった非正規労働者の現状とは暗く厳しいものであり、今後も風化されることがないよう東電を取材し、追い続けるという風間氏の話を聞き、私たちもNEC偽装請負に関わりながらも、日本が抱える非正規労働者の根本的な問題として考えていかなければいけないと思いました。 ~基調報告~ 中島潤史弁護士より、提訴1周年にあたり、NEC訴訟の事件の概要・争点などについて分かりやすい説明がありました。 ~原告からの訴え~ 原告団団長である柳瀬さんは、支援者の方々へのお礼と、この裁判は原告3人だけでの闘いではなく、全国の非正規労働者のための闘いであると訴えました。 ~福岡から応援~ 現在、福岡地裁に対して正社員としての地位確認請求の裁判中であるテレビ西日本の宮崎さんが応援と支援の訴えに来てくださいました。労働者派遣法は悪法であり、不安定雇用の温床になっていること、早期の抜本的改革が必要であることを力強く訴えていました。 宮崎さんの裁判は2009年6月に提訴して約2年が過ぎており、今年9月上旬には結審、年内か年明け早々には判決が出る予定ですが、判決次第では高裁、最高裁まで争う決意を持っていました。「冷静に腹を立てることが大事である」という言葉に強い印象を受けました。 ~シンポジウム~ 我が事務所の小野寺信勝弁護士がコーディネーターを務めたシンポジウムは、シンポジストに全労連総合政策局長である寺間誠治氏、熊本県労連議長である媒本光男氏、NEC重層偽装請負訴訟弁護団事務局長である久保田紗和弁護士に加えて、講演していただいた風間氏にも参加していただきました。 ここで風間氏には①震災が全国の雇用に与えた影響と、②なぜ非正規雇用の比率が高まったのかについて話していただきました。 まず、①については、岩手・宮城などの沿岸部は過疎地であるので元々求人は少なく、震災後それに輪を掛けて減少しているのですが、現在職業安定所はそれほど混み合ってないとのことでした。おそらく失業保険を受給して生活している人が大量にいるだろうとのことであり、今後増加する見込みであるという予想でした。 ②については、非正規労働者の流れの進行について、戦後の歴史の流れを含めて、日本の非正規雇用に対する政府の対応が現実を後追いして法律が制定されてきたことなどを話していただきました。 また、全労連総合政策局長である寺間氏からは、非正規労働への取り組みについての話をしていただきました。非正規労働者は解雇されたら生活保護を受給しないといけなくなる実態や、ワーキングプアと呼ばれる働きながらの貧困など、日本の労働事情の根深い問題について提起され、その一つが偽装請負であると言われていました。 ~さいごに~ 2010年4月6日に提訴して1年以上が経過しました。この1年の経過を振り返り、日本が抱える現状や原発の問題とリンクして考えることができたことで非常に有意義な時間を過ごすことができました。 現在原告3人は体力的にも金銭的にもかなり厳しい状況におかれています。次回は第7回口頭弁論となっていますが、今後益々皆様方の支援が必要となりますので、是非8月19日午前11時熊本地方裁判所へお集まり下さい。ご協力お願いいたします。
by kumamotochuohlaw
| 2011-07-15 15:42
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